肉とビールとパンケーキ by @sotarok

少し大人になった「肉とご飯と甘いもの」

みんながんばってるんだなあって話

セブンから出たら、小さい男の子の運転する自転車がこっちにむかってきているところだった。
足もつかないだろう大人用の自転車で、その後ろの小さな子用のかご*1 にはそれより2歳くらい下だろうか、という小さな女の子がヘルメットをつけて乗っていた。

男の子の手からなにかが落ちた。綴じられた紙の束だ。

私は、ふと拾って上げようか、と思ったのだが、男の子が落とし物を拾うため自転車をとめたのを見て、角をまがり、背をむけた。



そのとき、後ろでガシャンと音がした。



どうやら、男の子に対して大きすぎる自転車は、後ろにのっている女の子の重みを支えきれずに転倒したようだ。

女の子は「ふぇ」と小さな声をあげ、今にも泣きそうな顔で起き上がろうとしていた。男の子はとにかく自転車を起こそうとしているのか、かなりてんぱった状態になっていた。



頭の奥に色々よぎったが、すぐに私は走り寄り、ひとまず落とし物を拾い上げ、男の子に手渡した。手渡したときには男の子は自転車を起こしおえ、女の子をなぐさめていた。

私は自転車が倒れないようにおさえ、女の子がかごによじ上るのを手伝い、走り出す自転車の後ろを少し押した。少し勢いをつけないとふらふらして今にも倒れそうだったが、男の子は懸命に自転車をこぎはじめ、「ありがとうございますっ」と言って走り去った。





女の子は泣かなかった。
泣き出しそうな顔はしていたし、膝はぶつけたかで赤くなっていたが、男の子が懸命になっているのを感じ取り、我慢したのかな。


      • -


そんな無気力な午後の出来事でした。なんかあんまうまく伝えられないけど、勇気をもらったかんじ。

*1:おかあさん用の自転車によくついてるやつね